第3話「なりゆきA子と計画的なB美。人生を楽しんでいるのはどっち?」

第1話「なんとなく貯蓄A子と金銭感覚バブリーB美。本当に賢いのはどっち?」を読む
第2話「いつか結婚のA子と3年以内に結婚のB美。本当にお金のことを考えているのはどっち?」を読む

どうも。
そうです、私です。A子、29歳(3年後には確実に結婚しているんですけど、今は)独身です。

私は大人。落ち着いた大人の女性。キャーキャー言わない。無駄にデカいスマホケースもつけないし、自撮り棒ももちろん持ってない。地に足のついた大人。
そう思っていました。

でも先日、B美とのサシ飲みで、結婚について焦っていることをカミングアウトしてしまったり、お金もなんとなく貯めてるだけで将来は意外とノープラン。
そんなフワッフワ女である事が判明したんです。

改めまして、私、A子こと将来フワ子ちゃん29歳でーす♪

笑えねぇ……。
カエル先生の一言

アンケートによると20~34歳までのF1女子の55.2%が「将来や老後のお金に不安を感じている」と回答。
年金がどのくらいもらえるのか分からない、いつ・どのくらいお金が必要になるか具体的に分からないなど、漠然とした“分からないこと”が彼女たちの不安を大きくしている理由のひとつ。
(2016年10月マイナビウーマン調べ│21歳~34歳社会人女性対象│有効回答数200件)

B美の超計画的なライフプランを聞いてから、もうとにかくB美の言う“守りだけでなく攻めも大事”を実践したいと思っているのですが、

攻めってなに? 誰にどう攻めるの?
敵はどこ?
ゴールどこ?

フワ子ちゃん分かんない。って感じなわけです。

そうなると、もうみなさんも薄々お気づきでしょうが、呼びましょう。
あの末恐ろしい女を。

そんなわけで、土曜の今日もB美とランチ。

そう。
私たちは休日も会うほどに、なんだかんだ仲良くなっている。
今日もまた、B美がお店を選んでくれた。

「私、行ってみたかったパンケーキ屋さんがあるんです」

パンケーーーーーキ!!!

知っている。
キラキラ女子といえば、パンケーキ。私は昨今しつこく続くこのパンケーキ現象にひとつの答えを導き出した。
彼女たちは、パンケーキが食べたいから行くんじゃない。

パンケーキの写真をインスタにあげるためにパンケーキ屋へ向かうのだ。

てか、パンケーキってなんだよ。ホットケーキって言えよ。

そう思いながら、でもB美のことだから、今日このパンケーキを食べに来たのにも何か考えがあるのかもしれない……。もしかしたらパンケーキを敵に投げつけて“攻める”のかもしれない……。

そう期待してしまう自分がこわい。

「ここのパンケーキ、さいっこう! ふっわふわーーー。そんでもってたっぷりのイチゴとベリーがかわいいー! 超インスタジェニックですよねー♪」

前言撤回。早速後悔。

この子にそこまで期待した私が悪かった。
がっかりして、つい韻までふんでしまった。

「そういえばセンパイ、その後、婚活ちゃんとしてますか?」

「い、いや……。実はこのあいだ、B美ちゃんの話聞いてたら、自分の人生がノープランすぎることに焦っちゃって。でも何から始めていいのかわからなくて、悶々としていただけ……」

「そんな落ち込まないでくださいよ、センパイ! 10月生まれでしたっけ、確か。じゃあ30の大台まであと4ヵ月もあります。大丈夫、大丈夫!」

いま、このパンケーキをこいつの顔に投げつけたい。

「そ、そんなこというなら、この4ヵ月間で具体的に何やればいいって言うのよ!! 怒」

だめだ、こんなファンシーな店内で大きな声を出してしまった……。
思わず振り向いた女子大生の視線が痛い。

「じゃあ! 前に私がオススメした家計簿アプリあるじゃないですか。あれ、やってみました?」

やっべ……忘れてた。

「ああああああ、あれね! すごく良さそうだったけど……ま、まだ、だったかな? たしか」

敵の一打目で、ものすごいダメージ。
そうなのだ。
何か実践したいとわざわざB美に聞いておきながら、教えてもらったことすら実践できていない、自分。さすがだわ。今食べてるパンケーキよりフワッフワだわ。

「センパイ、いちいち落ち込まないでください! それよりも後回しにしないで

ほら! 今! すぐ! はじめてください!!」
すげえ顔近いって。

たしかに、B美の言うことは間違っていない。
いつも、面倒なことは後回しにしてしまうのが私の悪いクセ。

でもそうやってこのまま生きていくのか? 29年8ヵ月間、私はそうやって面倒なことも争いも避けてきた。
そうだ。今変わる時かもしれない!

「わたし、やってやるわ! ダウンロードしてやるわ!!」

「いいぞ!! センパイ!!!!!!」

B美の指示のもとスマホを取り出し、アプリをダウンロード。よく分からないところを聞きながら、とりあえず今日のパンケーキ代を登録できた。

ふう。

カエル先生の一言

レシートを撮影するだけで金額を入力してくれたり、クレジットカードやキャッシュカードと連携して収支・支出の管理ができたりと、便利な家計簿アプリも多い。

なんだろう、この気持ち。

家計簿アプリを始めただけ。たったそれだけのことかもしれないが、私には大きな変化が起こるような気さえしている。
店のBGMをテイラー・スウィフトじゃなくて中島みゆきに変えてほしい。

「ところでセンパイ。いつまでにいくら、とか決めて貯蓄してます?」

そこへまた、B美がエッジィな問いかけをしてくる。

貯蓄はまあ人並み(よりもちょっと多いくらい)にはできている。
でも、分かっている。
正直、私の貯蓄は行き当たりばったりだ。
たまたまその月に余ったお金が貯蓄にまわっているだけで、計画的ではない。まったく。

こんなこと言ったら、また説教される気がする。この子は5分に1回、私を傷つけてくる。
でも、私は変わるのだ!!!

B美という、銀の龍の背に乗るのだ!!!

「ダメ出しされるかもしれないけど、正直に言うと計画的ではありません! すみませんでした!!」

武士のように、こうべを垂れた。
奥から女子大生のヒソヒソ話が聞こえる。でも気にしない。
きみらは食べたらさっさと、誰だよレベルで加工されるプリクラでも撮りに行け!!

「ちょっとセンパイ、なんの謝罪会見ですか!! 貯蓄はみんながみんなできてることじゃないですし、ある程度貯まっているのならダメ出しはしないです。

でも、センパイだから言わせてもらいますけど、ぶっちゃけもっとこうしたほうがいい、ってことはあります」

きた。これだ、私はこれを待っていた。
それを教えてくれ、B美。頼む、ぶっちゃけちゃってくれ!

でもなんで、B美はこんなダメダメな私に優しいんだろう。
ちょっとズルいくらい打算的なところも、結婚やお金についての考え方も、どうして私に……。

「センパイ見てると、うちの母(57)を見ているみたいで、ついアドバイスしたくなるんですよね」

おっかさんかよ!  29歳8ヵ月の私を57歳のおっかさんに重ねてるのかよ!!

「私の母って、“古き良き昭和の女”って感じで。とにかく貯蓄さえあれば安心! と思っていて。いつも自分のことは我慢して、家族のために、まじめに節約してくれていたんですよね。でも、それじゃ母が人生を楽しみきれていないように感じちゃってたんです、子ども心に。だから、自分でお金を稼げるようになった今は思いっきり親孝行をしたいと思ってますし、自分はお金の節約だけに左右されないようにしようって決めてるんです」

ええ子や!!!
この子はものすごいええ子や!!!!!

でも、ちょっと待って。
親近感をもってくれているのは確かにうれしい、けど。

私が“古き良き昭和の女”?
私が割烹着を着ておいしい肉じゃがを作る、あの古き良き……?
(確かにギリ昭和生まれだけど、全然ちがうと思う)

「ところで、毎月どのくらい貯められているのか把握してますか?」

「い、いや。必要な分だけ銀行から引き出して、節約して余った分がそのまま残る感じで……」

「ダメです! はっきり言って、全然ダメです!

そういう“受動的な貯蓄”だけだと、いつまでにどのくらい貯められるかっていう計画、立てられませんよね?」

「た、確かに……」

「たとえばセンパイの場合、まず収入から先に貯蓄にまわす分を差し引いてしまうのはどうですか?」

「なるほど。たぶん平均すると毎月5万くらい貯金できている気がするから……。それを先に貯蓄にまわすってこと?」

「そうです! もっと言うと、お金の置き場所を分けたほうがいいです。例えば、その5万円のうち3万円は銀行に貯金。残りの2万円は投資にまわすとか」

と、投資!?

投資ってあの、投資?
一攫千金をねらうやつでしょ? 失敗したらめちゃくちゃ損する、ギャンブルみたいなものでしょ?
え、B美、ギャンブラーなの!!??

カエル先生の一言

実際、アンケートによると6割弱は「投資に興味をもったことがある」と回答。しかし「損をしそうでこわい」「リスクが高そう」「金銭的に余裕のある人がするもの」「初期費用がかかりそう」「何から始めたら良いか分からない」などというイメージを持っていることが多い。
(2015年6月マイナビウーマン調べ│21歳~34歳社会人女性対象│有効回答数300件)

「センパイ、今すごく身構えましたよね? ギャンブルみたいに、イチかバチか! みたいに思ってません? 投資というとハードルが高く感じるかもしれないですけど、“働いてもらうお金”と考えてください」

はたらいてもらうおかね…
ハタライテモラウオカネ……
Hataraitemorauokane………

一瞬遠くに行った私の様子を察したのか、B美は諭すようにやさしく続けた。

「投資とひとことで言っても、いろんな種類がありますけど……まずは『積立投資』とかどうですか? これなら貯金感覚で始めやすいですし、運用はプロにお任せできるので初心者にもおすすめです。私も、最初は積立投資から始めました」

「ツミタテ、トウ、シ……」

カエル先生の一言

積立投資は毎月決まった額の投資信託や株などを買うことで、資金を運用する方法のこと。1000円など少額から始められるものもあり、一度、登録だけ済ませれば、その後は口座から自動引き落としで手軽にコツコツと継続して投資をすることができる。投資信託なら、運用はプロにお任せできるので資産運用初心者でも始めやすいのがメリット。

その後、積立投資のしくみについてB美がしっかり説明してくれ、投資に対するハードルが驚くほど下がった。
余談だが、B美の出身地が山形だったことも判明した。

B美のおっかさん。B美みでな娘、産んでけっちぇ、ありがとう。

「私、最初はB美ちゃんのこと、かわいくていい子だと思ってたけど、ちょっとバカで、お金に対してもバブリーで、頭スッカスカでチャラい女の子って思ってた。でもしっかりしてないのは、清楚で落ち着いてるように見えるこの私でした。今となっては本当に感謝してる! ありがとう」

「ほとんど悪口じゃないですか!!!!!」

「今まで、お金について“なんとなく”しか考えたことなかったから、余った分が貯金にまわってるな~くらいしか思ってなかったの。通帳を見るたびに増えていく残高を見るだけで満足して。でも、それだけじゃダメなんだよね?」

「その通りです! 私、なんとなくっていうのは一番の落とし穴だと思うんです。ライフプランを考えて貯蓄していけば、結婚資金だって老後の生活費だって計画的に効率よく貯められると思いますよ」

「そうだよね。本当そうだよ、B美ちゃん……本当にありがとう!」

もはや、今の私にはB美がとても愛おしい存在に思えている。
ありがとうB美。そして、ありがとうB美のお母さん。

「で、さー。もっといろいろ教えてほしいから来週の土日も遊ばない? なんだったら旅行とk……」

「ごめんなさい、来週は彼とデートなんです❤︎」

ちょっと!! これ以上置いてかないで!!! 遠くに行かないで!!!!

カエル先生の一言

女子同士で遊ぶ時間が増えると異性との出会いは減る傾向にある。かも。

カエル先生の一言

なんとなく貯蓄女子は、計画性がないから将来に対して不安を抱えていることが多い。A子みたいに家計簿アプリをダウンロードしたり、具体的に何かを始めてみるといいかも。「投資」が気になった人は、投資情報のチェックができるアプリをダウンロードしてみるとか。B美じゃないけど、「後回しにしないでほら!今!すぐ!」がカギ。