第1回 優待名人・桐谷広人さんの株主優待授業

「私たち、株主優待に興味はあるけど、何から始めたらいいかわからないし、仕組みがわからないから不安……」と話すのは金融に興味がある女性のコミュニティ「きんゆう女子。」。そんな「きんゆう女子。」のためにひと肌脱いでくれたのが、元プロ棋士にして株主優待で暮らす姿がテレビなどでもおなじみの桐谷広人さんだ。今日も優待品に身を包み、自転車で颯爽と現れた桐谷さんによる株主優待の特別授業を開講します!

全身株主優待づくめ! 唯一もらえないのは――

きんゆう女子。:
桐谷さん、今日のお洋服ももしかして……?

桐谷:
これはタカキューの株主優待でもらった服なんです。時計やベルトも株主優待でもらったもので、メガネはジンズ、ズボンと靴はヒマラヤのバーゲンのときに優待券で買ったものです。サイフは990円で売っていたものを株主優待でもらった1000円のギフトカードを使って買いました。ギフトカードを使うとおつりが出ないので、10円損しましたね。

きんゆう女子。:
全身、株主優待なんですね。

桐谷:
株主優待で身の回りのものはだいたい揃えることができます。唯一、お嫁さんだけはどんな優待でももらえないんですね。

きんゆう女子。:
(笑)。

桐谷:
ところが婚活関連の優待もあって、結婚相手紹介サービス大手のツヴァイではサービスでの活動サポート費の50%割引券がもらえたり、様々な婚活サービスを手がけるIBJでは婚活パーティ無料招待券がもらえます。実際にIBJの優待を使って、8対8の婚活パーティに出席しました。

きんゆう女子。:
婚活の成果はどうだったんですか?

桐谷:
さ、前置きはこのくらいにして、さっそく授業を始めましょうかね。

株主優待は少額で始める投資家に有利!

きんゆう女子。:
そもそも株主優待って、いつからあるんですか?

桐谷:
19世紀にはもう電鉄会社が行っていたようですが、1990年代のバブル崩壊までは200社程度しか行っていなかったんです。バブル崩壊で株を取引する人が減ってしまったため、何とかして日本人の株主を増やしたい! と会社は考えた。そこで株主優待を新設する会社が増えていきました。

きんゆう女子。:
配当金と株主優待は違うんですか?

桐谷:
株には、もともと2つの利益があります。配当金をもらって儲ける「インカムゲイン」と、株価の値上がりで儲ける「キャピタルゲイン」です。
しかし、1990年前後のバブル崩壊以降、株主優待を設置する会社が増えると、「第三の利益」として注目されるようになりました。株をたくさん持っている人ほど配当金はたくさんもらえますが、株主優待は少し違う。株式投資では原則「100株=1単位」なんですけど、1単位持っている人も10単位持っている人も、もらえる優待は同じという会社が多いです。
株主優待は「少しだけ持っている個人投資家が潤いやすい」仕組みなんです。反対に、株数をたくさん持っている機関投資家からは「株主優待をやめて配当金を増やしてほしい」という声も出ています。

20万円・4銘柄から始めてみる!

きんゆう女子。:
最近新しく株主優待を始めた会社はあるんですか?

桐谷:
ありますよ。ちなみに先日、私の持ち株の中で、「3年間で株価が2倍以上になった銘柄」を調べてみました。全部で20銘柄のうち15社が株主優待を新設したときに買った銘柄だったんです。株主優待を新設した会社は、株価が上がりやすいと考えられますよね。
優待がもらえて、さらに株価も上がりやすいとしたら、いいことずくめ。きんゆう女子。の皆さんにもおすすめしたいですね。

きんゆう女子。:
資金はいくらくらい用意すればいいんですか?

桐谷:
まず、1つの銘柄だけに資金を集中させないということが大切です。集中投資だと、その株価が急落したり、ごくたまに会社が潰れたりしたときに資金をすべて失ってしまうかもしれない。でも、いくつかの銘柄に分散していたら、1社が潰れても、別の会社の株価が上がって補ってくれるかもしれません。

きんゆう女子。:
「分散投資」ですね。でも、複数の銘柄に投資するとなると、それだけ資金もたくさん必要になってしまう……。

桐谷:
そんなことはないです。5万円以下で買える株主優待銘柄も結構ありますよ。20万円くらいの資金があれば、4社の優待銘柄が買える。立派に分散投資ができますよね。

使い勝手のいいQUOカード優待

きんゆう女子。:
いろんな銘柄の株主優待がありますが、桐谷さんはどうやって探していますか?

桐谷:
証券会社のホームページやマネー雑誌、株主優待投資家のブログを見て選んでいます。「こんな優待をもらった」「優待でこんなご馳走を食べた」と、そういう記事を参考にしています。
本日はきんゆう女子。の皆さんの個性にあわせた優待銘柄を選んできていますので、あとでご紹介しますね。

きんゆう女子。:
ありがとうございますっ!

桐谷:
ひとつだけ便利なものをお教えするとすれば、QUOカードですね。特定のお店や施設でしか使えない優待券に比べて、コンビニで使えるので使い勝手がいいです。サイフに入れておくだけでいいですしね。QUOカードを優待品とする会社は数百社以上もあるんですよ。

きんゆう女子。:
買いたい銘柄が決まったら、注文ですよね。桐谷さんはどういうタイミングで買うようにしていますか?

桐谷:
証券会社に口座を開くと、株価の値動きを記録したチャートが見られます。過去半年分、過去1年分の値動きを表示させて、「高値圏にあるときは買わない」というのをルールにしていて、「年初来安値」をよく見て買うようにしています。

きんゆう女子。:
ねんしょらい……?

桐谷:
今年になっていちばん安い株価をつけた――それが年初来安値です。3月末までだと、「昨年から今まででいちばん安い株価をつけた」ことになります。人気がある株はいつも高いんです。ところが、株価はいつまでも上がり続けるわけではありませんから、安く買えるチャンスはあるんです。いくらが安値になるかを見極めるのは難しいので、「今年になっていちばん安い株価」をつけたときは買いどきだなと思っています。

値上がりは狙わず優待を楽しむ

きんゆう女子。:
買ったあとはどうしていますか?

桐谷:
優待株には「権利確定日」が年に1回か2回あります。その日に優待株を持っていれば、登録した住所に優待品が送られてきます。私の場合は株価が上がってきたら売ることもありますが、値上がりしなくても優待が届けばいいくらいの気持ちで買っています。
値上がりばかり狙っていると、「上がらないかな」と毎日ハラハラドキドキしてしまい、昔は私もそういう時間を過ごしていました。でも、優待株なら株主優待が廃止にならないかぎり定期的に優待品が送られてきますから、「優待があれば株価が上がらなくてもいいや」くらいの気持ちで投資しています。

きんゆう女子。:
なるほど! それだったら私たちのように働きながら投資する人でも、株とのんびり付き合えそうですね

桐谷:
そうですね。次回は、そんな皆さんの個性にあった優待銘柄をご紹介していきましょう。

~株主優待を受け取るには?~
各企業が定めている「権利確定日」に株主として株主名簿に記載されている必要があります。そのためには、権利確定日から数えて4営業日前までに株式を購入しなければなりません。権利確定日は企業によって月や回数が異なりますが、3月末や9月末日の年1回(または年2回)の企業が大半です。多くの企業は月末ですが、3月20日、9月20日など、月中の場合もあります。
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