年収300万円会社員から資産2億円へ〜www9945インタビュー【前編】

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かつて年収300万円の清掃員だったwww9945さんは、現在は資産2億円を保有する個人投資家。いまも築40年の公団住宅にお住まいのwww9945さんは、どのように資産を築いていったのでしょうか。資産額の推移と、その投資スタイルについてお話をうかがいました。

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家賃5万円の公団住宅に住み続ける

「ここに住んでもう20年以上。成功するとタワーマンションに引っ越す投資家もいますが、私は固定費を上げたくないんですよ。家賃? 5万4千円です。同じ間取りのアパートを民間で借りようとすると7万円はしますから、1万6千円もお得なんです」

www9945さんの職業は投資家。サラリーマン時代に始めた株式投資で成功を収め、現在の資産は2億円を超える富裕層だ。しかし、「しかもここは更新料が不要なんです」と誇らしげに語る姿に富裕層らしさは感じられない。

「20代からずっとサラリーマンでしたからね。しかも今で言えば“下流”サラリーマンでした。勤めてたのは、店舗などの清掃を請け負う会社。給料はずっと20万円台で、良かった点といえば毎日きっちり17時半で帰れることくらい。21年勤めたのに退職金はわずか53万円でした(笑)」

「株を始めれば人生が変わるはずだ」

決してエリートとは言えない経歴のwww9945さんが富裕層への第一歩を踏み出したのは25歳のことだった。

「あるマネー本を読んで、自分には株しかないと思ったんです。配当利回り5%の株を買えば年500万円の配当がもらえる。だったら1億円を貯めて株で暮らそう、と。当時の勤務先には不満もあったので、現実逃避だったのかもしれません。株を始めれば人生が変わる、と思い込んでいました」

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www9945さんが株に取り憑かれたのは、まだインターネットが一般的ではなかった1993年ころ。マウスをクリックするだけで手軽に株が買えるような時代ではなかった。

「それに当時の売買単位は1000株が主流。今のように少額で投資できる仕組みもありませんから、100万円程度の元手が必要でした。もちろん社会人1年目の私にそんな資金はありません。生活費を削り、給料の3分の1を貯蓄に回すこと1年半、やっと100万円の元手ができました。社会人になって2年目のことです」

生活を切り詰めて作った100万円を握りしめ、晴れて個人投資家となったwww9945さんだったが、デビュー戦はほろ苦いものだった。

「最初に買ったのは宇部興産と北陸電力。今でもはっきりと覚えています。ところが買った翌日に宇部興産は値下がり。その後、株価が半分になっても損切りできず、塩漬けにしていました」

ちょうど、このころ仕事でも転機が訪れる。最初に勤めた会社が肌に合わず退職を決意。その後、21年勤務することになる清掃会社へ入社する。

「転職したことで仕事へのストレスがなくなり、生活は安定しましたが、株のほうは鳴かず飛ばず。給料から資金を追加していきましたが勝ったり負けたりを繰り返すだけで、一向に増えませんでした。転機となったのは2005年です」

転機となった2005年の郵政解散

2005年8月、小泉純一郎首相(当時)は「郵政民営化の是非を国民に問う」として衆議院を電撃的に解散。「郵政選挙」で自民党が圧勝すると株式市場は急騰した。

「当時、個人投資家の間で盛り上がっていたのが『不動産流動化』。不動産を証券化して資金を集め、再開発による利益を分配していくようなビジネスモデルです。不動産流動化関連の銘柄の株価が急騰、中にはPERが100倍を超えるような銘柄もあり『割安株投資』の観点からはかけ離れた世界でしたが、私も恩恵を受けました」

コツコツと給料から足していった資金の合計は1000万円を超えていたが、2005年前後の株価高騰で資産は4500万円を超えた。

「当時目標としていたのが8000万円。当時の収入が税金を引いて月21万円の手取りだから、配当利回り4%なら年320万円もらえるので給料と同じくらいになる。あのころはそんな計算ばかりしていましたね」

www9945さんがいつも胸ポケットに忍ばせているのは小型の電卓。「スマホよりも手早く計算できるから」と、愛用し続けている。この電卓が心の支えとなっていた。

「掃除が不十分だとか、ハンコがきちんと押されていないとか、仕事でクレームがあったとき、通勤電車でさっきのような計算をするんですよ。『あと3000万円あれば仕事を辞められる』って(笑)」

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冬の時代にもらった祖母からの贈り物

ところが、2006年のライブドアショックや2008年のリーマンショックで株式市場が下落基調に入ると、資産は急減、3000万円を割り込むまでに減ってしまった。資産面や収益面から株価を測り、割安な銘柄に投資していく「バリュー投資」がwww9945さんの基本スタイル。このスタイルに逆風が吹き始めた。

「バリュー銘柄は業種が地味だったり、時価総額が小さかったりと、何らかの理由があって不人気だから株価が割安になる。株式市場全体が高騰していれば、そんな不人気銘柄も脚光を浴びますが、市場全体がダウントレンドだと割安なまま放置されやすい。リーマンショック以降、バリュー投資家にとって冬の時代が続きました」

そんな時代でも、儲かる銘柄はあった。

「思い出深いのが日本光電という会社です。この銘柄を知ったきっかけは祖母の入院でした。じつは私が清掃会社へ入社できたのも、祖母の紹介があったから。そんな祖母の見舞いに行った時、目についたのが生体情報モニターでした」

入院患者のベッド脇に置かれた、体温や心拍数を測定するための機械だ。

「1台数百万円はするだろうし、故障やミスが許されない機械なので頻繁なメンテナンスで定期的に収益をあげているのではと考えました。調べてみると、予想通り利益は毎年2ケタ成長、PERで見ても割安だったため買ってみたところ、見事に株価は上昇しました。祖母からの最後のプレゼントだったのかなと思います」

冬の時代が終わりを告げたのは2012年。アベノミクス元年となったこの年から株式市場は上昇トレンドへ転換。www9945さんの資産は目標としていた8000万円、さらには1億円を突破する。

「このころにはバリュー銘柄だけではなく、株主優待銘柄や高配当銘柄など手広く100銘柄以上に投資するようになっていました。最低取引単位ずつでも幅広く持っていると、中には成長とともに株価が上昇してくる銘柄もある。そんな銘柄は買い増して、割高になったところで決済する。そんなやり方です」

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カエル先生の一言

www9945さんのもっと詳しい投資手法を知りたい人は、連載「億り人さん、いま持っている株を教えてください!」の「雪だるま式! 売買益と配当金をぐるぐる回して資産4億円超~www9945さん【前編】」を読んでみるといいかも。

億り人になりたいカエルくんが、「どんな手法を使っているの?」「どんな株を持っているの?」とwww9945さんに直撃取材しているぞ。