第2回 「株で大損しても借金は背負わない」って本当?

FROGGY編集部は、投資未経験者がなかなか投資を始められない理由として、「7つの勘違い」があるのではないかと考えました。今回は、「株で失敗すると借金を背負う」という「勘違い」について、誤解を解いていきたいと思います。
第1回「節約の効果を倍増させる、毎月1万円投資の考え方」を読む

10人に4人が選ぶ、「投資を始めない」理由とは

投資を始めない理由としていつも上位にあがるのが「損をするのがこわいから」。
金融庁のアンケート(2016年2月実施)によると、投資は資産形成に必要だと思うが投資を行わない理由として、38%の人が「投資は損をしそうで怖いから」と答えています。

「株で失敗すると借金を背負う」は間違い!?

ところで、何に対して恐怖心を抱いているのかを探っていくと、「株で失敗して大損すると、借金を背負うことになるのが怖い」という声に行きつくことが少なくありません。

もしかするとこの記事をご覧の方のなかにも、同じように考えている方がいらっしゃるかもしれません。しかし、この考え方には「勘違い」が潜んでいます。実は「自分のお金で株を買って、売る」という取引をしていれば、たとえ株で失敗しても借金を背負うことはありえないのです。

株価はいちばん下がっても0円まで

そもそも「株で失敗して大損する」というのはどういうことでしょう? 株価が大きく値下がりしたり、会社が倒産して株券が紙くず同然になったときのことを想像している方が多いかもしれません。

しかし、このような最悪な場面になったとしても投資家は借金を背負うことはありません。

なぜなら、株価はマイナスにはならないからです。100万円で買った株は、どんなに下がったとしても0円まで。株価が-50万円になることはありません。つまり100万円投資したものが0円になることはあっても、借金を生むことはありえないのです。

「信用取引」の情報が混ざって勘違い?

では、なぜ「株で失敗すると借金を背負う」という勘違いが生じているのでしょうか? おそらく「信用取引」という上級者向けの株取引方法と情報が混ざっているからだと思われます。

株取引には、自分のお金を使って株を購入する「現物取引」と、証券会社にお金を借りて株を購入する「信用取引」があります。

「信用取引」では、保証金を証券会社に担保として預けると、保証金の約3.3倍の取引ができるため、手持ちの資金よりも大きな金額で取引して大きく収益をねらえるのです。しかし一方で、損失も手持ちの資金より大きくなる可能性があります。つまり、借金を背負う可能性が出てきます。

たとえば、100万円の投資資金では、最大330万円まで株を買うことができます。わかりやすくするため、ポイントだけ説明しますが、もしその銘柄が50%下落したときに売却すると、損失額は165万円となり、投資金額の100万円を上回ることになるのです。この間、追加で資金を口座に投入しなくてはならなくなり、追加の負担が必要になります。もし、お金がなければ追加の資金を用意するため、借金することになりかねないのです。

この信用取引の話が、自分のお金を使って株を購入する現物取引と混同され、世間に「株で失敗すると借金を背負う」という「怖い」イメージがついたのでしょう。

信用取引は、得られる利益が大きい反面、リスクも大きな取引なので、投資の上級者が主に行う取引です。投資初心者が手を出すべきものではありません。

損失額は限定されている! 一方、利益は無限大

一方、現物取引は投資家にとってうれしい性質があります。それは、「損失は限定されているのに対し、利益は無限大」ということ。100万円で株を買った場合、損失額は最大100万円ですが、利益は200万円にも1000万円にもなる可能性があるのです。アメリカの伝説的ファンドマネージャーであるピーター・リンチも「株の損失は、最大でも投資金額まで。それ以上に損することはない。一方、利益の可能性は無限大」とその非対称性に着目。株価が10倍になる銘柄を探すことに力を注ぎ、大成功しました。

余裕資金で現物取引から始めてみよう!

借金が怖くて投資に踏み出せなかった人は、まずは現物取引で株を買ってみましょう。また投資額は、万が一ゼロになっても生活に支障のでない範囲に留めるのがお勧めです。そうすれば、借金を恐れるどころか、多少の値動きにヒヤヒヤせず値上がりを気長に待てるようになるでしょう。

〈まとめ〉
・「株は失敗すると借金を背負う」は「勘違い」
・信用取引をしなければ借金は生まれない
・投資は余裕資金で現物取引から始めよう