第4回 無意識に夢をかなえる習慣をつくる

前回は、夢を忘れないために記録することの大切さについて書きました。そして日々、夢を貯めることとかなえることを繰り返すと人生の充実度が上がるということも書きました。夢は忘れがちだからこそ、夢をかなえ続けるためには、夢を生活の中のあらゆる場所に散りばめて、思い出し、かなえることを習慣づけることが何より重要だと思います。
第3回「やりたいことを貯めておく」を読む

「気がついたら夢がかなっていた」という状態にする

夢を日常の中で自然に自分自身にリマインドするような環境を自分で整えると「夢をかなえるぞ!」といちいち気張らなくても、気がついたら夢がかなっていたという状態を繰り返せます。つまり、夢をかなえるためには夢をかなえるための行動を「習慣」にしてしまうことが大事なのですね。ひとつ前の記事に書いた、行きたいレストランや場所を食べログやグーグルマップに保存するのも、いちいち「夢はなんだっけ?」と思い出して、決断して、かなえる、という流れの中の「思い出して決断する」という部分を省いて、気がつけば夢がかなっている状態をつくるためでした。このように習慣化は「決断する」という大きなハードルをなくしてくれるのです。

習慣というのは朝起きて顔を洗ったり、食べた後に歯を磨いたりするように、何かを始めるために意志を使わずに、自然にその行動に移せることです。いちいち「やるの? やらないの?」と自分に問いかけ、「やろう」という決断や意志が必要になると、その分疲れてしまうのですよね。顔を洗ったり、歯を磨いたりするときには、いちいち理由なんか考えたりしないはず。気がついたら自然と体が動いている。これが習慣化です。習慣にするためには、自分でルールをつくって「その通りに動くこと」だけを自分に課すればいいのです。

たとえば「1ヵ月に1回新作映画を映画館に見に行きたい」が自分の理想とする夢の生活だったとしても、忙しさについ紛れてしまい、気づいたら映画館に足を運ばないまま3ヵ月もたっていたなんてことは起こりがち。忙しくて夢をかなえることを忘れてしまったり、優先順位を下げてしまうのはよくあることです。これは夢の設定の仕方が悪いのでも、忙しいのが悪いのでもなく、夢をかなえるための環境づくりに問題があります。ルール化していないことは、実行に移すたびに準備と意志が必要なのです。だから、一度ルールとして設定したことには疑問を持ったり、ルール改定をしない、ということを自分ルールのルールにしてください。

「映画に1ヵ月に1回行く」のが夢なら、毎月1日の夜は映画を観る日というのを自分ルールにしてしまって、優先順位も最優先にして、他のスケジュールを組み立ててしまいましょう。毎月1日がくるたびに「今日は忙しいから、映画はやめておいたほうがいいのではないか」といちいち考えることはやめて「今日は映画の日だから、他の仕事は明日以降だな」と優先順位を変えずに予定を決めるのです。

そのときに「そんなことしてしまっていいのだろうか?」などと疑問を持ったら堂々巡りになってしまうので、ルールを揺るがすような思考は禁止しましょう。とにかく「ルールは変えない。守る」を徹底すると、難しそうに見えることも実現可能になっていきます。自分の目の前にいつもやるかやらないかの選択肢があると、悩んでしまう。けれど「やる」しか方法がないときは「やる」こと前提で物事を組み立てられるのです。「やる」と1回決めたことは、崩さないでください。

音楽や映画を楽しむのは「一石二鳥の時間」にする

そして、夢をかなえるための習慣は日常の中にどんどん増やしていきましょう。たとえば、私の場合は、「いつか観たい」「いつか聴きたい」と思った映画や音楽は、そのまま忘れないように、買うかダウンロードしておきます。読みたい本は、買って家に届けるかキンドルでダウンロードしておく。観たい映画は、アマゾンプライム、Hulu、Netflixなどで探して、あるものはダウンロードしたり(アマゾンプライムとNetflixの一部の動画はダウンロードが可能で、あらかじめダウンロードしておけばインターネットのない場所でも観られます)、「次に観たいリスト」に入れておく。音楽も同様に自分が毎日触れるスマホに、リスト化して貯めておきます。

忙しい忙しいといっても、まとまった時間がつくれないだけで、隙間時間は工夫次第でつくれるもの。地方での仕事は移動の時間がたっぷりあるし、都内の移動を思いきってタクシー移動にすると、乗車中の時間は完全に自分だけのものになります。歩いているときや電車に乗っているときだって、耳は空いているから音楽を聴いたり、ポッドキャストやオーディオブックをつかえば耳学習だってできる。こんな風に「隙間時間ができたらやること」を決めておくと、待ち時間や隙間時間ができるたびに「やったぁ!」と思えるし、「暇だなぁ……」と時間を持て余すこともなくなります。「忙しくて映画を観る時間もないよ!」という状態を「移動しながら映画も観れて、一石二鳥の時間をすごしてる」と思うだけで、ずいぶん気楽になるはずです。

家事をする時間なんかも、一石二鳥にしやすい時間です。私は洗濯物を畳んだり掃除をしながら音楽を聴いたり、お皿洗いをしながらアマゾンプライムで海外ドラマを見たりしています。以前はお皿洗いが好きではなかったのですが、その時間をアマゾンプライムを観る時間にしてからは、お皿洗いが楽しみになりました。「お皿洗いのついでに、ドラマを見ている」という思考を変えて「ドラマを見るために、お皿洗いをする」という思考にだんだんと変わっていったからです。

また、小さなことですが、ドラマを見るときは、音声を英語にして日本語字幕にすることで、英語の感覚を取り戻すようにしています。社会人になってからは、英語を日常的に使うことがなくなり、海外在住経験・留学経験があることを言うのが恥ずかしいくらい英語能力が後退しましたが、リスニング能力だけがかろうじて保たれているのは、日々の海外ドラマ習慣のおかげだと思っています。

フットワークを軽くする

それから、無意識に夢をかなえる人になるためには「フットワークを軽くする」ことが何より大切です。会いたい人には今日会う。食べたいものは今日食べる。そんな風に、「いつか」ではなく「今」実現させることを意識するのです。いつかこうしよう、と夢を先送りすればするほど、夢はかないづらくなるだけではなく、どんどん忘れてしまいます。映画を観た感動が、3日後には薄れてしまうように、何事も胸の中に飛びこんできた瞬間の熱が一番熱いのです。本を読んでこの著者に会いたいと思ったら、その場でその人の名前を調べて、ツイッターで感想を送ったり、セミナーの日程を調べて申し込んでみてください。雑誌で行きたいレストランを見つけたらその場で予約して、一緒に行く人はあとから考えることにしてください。そのワンアクションをするかしないかで、人生の景色が変わります。どんどん夢をかなえ続ける人生にしたいなら、止まらずに先へ先へと自分を追いやってください。

無理やり改善しないと、永遠に何も変わらないまま

「●●する時間がない」「こんなことやっている場合ではない」と思っている間は、夢はかなわないまま遠くにあるものになってしまいます。でも「●●する時間がない」「こんなことやっている場合ではない」=社会人の普通の状態だと思うのです。暇な人なんて周りを見渡してもほとんどいません。けれど、その余裕のない状態の中で何かを無理やり改善しないと、永遠に何も変わらないまま文句を言い続ける毎日になってしまいます。自分への取材をもとにせっかく自分の夢がわかったのに、それを放置しておくのはもったいないですよね。リスト化した夢は、ちゃんと予定に変えるために、時間は今この瞬間にある。今ないのなら、永遠にない、と考え方を変えてみましょう。

夢というのは、暇なときに時間があるからかなえるためものではないはずです。暇なときを待っていたら、一生待っても夢はかなわないかもしれません。忙しい中でも、夢をいつだって思い出せる場所に置いておいて、かつ「かなえよう」と思わずしても、習慣として自然にかなっていく状態をつくる。そうすると、毎日が生き生きとしてくるのではないでしょうか。

さて、次回からは少し視点を変えて、夢をかなえることだけに集中する方法についてお伝えしてきます。

<今回のまとめ>
●夢をかなえるためには、夢をかなえるための行動を習慣化する
●「やる」と一回決めたことは、崩さない
●「いつか」ではなく「今」できることを増やす