退職金2000万円を8年で40億円に!〜今亀庵さんインタビュー【後編】

  • リアル投資家列伝・勝負どころを見抜く投資との付き合い方 / 今亀庵

最初は異常な安値をつけていたJ-REIT市場への投資で2000万円を1年で1億5000万円に増やし、株式市場へと資金を移動させた第二幕では40億円へと爆発的に増やした今亀庵さん。機を見るに敏な投資行動の背景にあったのは、50代になって得た「気づき」。そこから今亀庵さんは「今は株式投資の絶好機」だと判断しています。
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株式市場の方向性を決めるのは大きな資金の流れ

「恥ずかしながら50歳になってから気がついたことがあるんです――」と、今亀庵さんが打ち明けてくれたことがある。

「若いころは個別の銘柄のことだけしか勉強していませんでした。しかし、長い目でみると、金融市場全体のことを知っておいたほうがいいんですね。私がそれに気がついたのはだいぶ遅い。50代になってからでした」

なぜ金融市場全体を知る必要があるのだろう。

「株価が上がるかどうか、結局は大きな資金の流れなんですね。世界の年金基金であるとか機関投資家の資金がどこに向かっているのかを知る必要があります。資金が向かう先は3つだけ。株式市場、債券、不動産です。お金はこの3つの間で循環しています。お金が株式市場に向かっているかどうかを知る上で、金利はどうか、インフレ率はどうかと見ることが大切なんです」

株と債券、どちらへ投資されやすい時代か?

金利やインフレ率なんて言われると、途端に難しく思えてくるかもしれない。でも、今亀庵さんはとてもシンプルに説明してくれた。

「現状を材料に考えてみましょう。日本の国債金利はほとんどゼロです。一方で株式市場はどうか。日経平均採用銘柄全体のPERは15倍前後です。ということは、『益回り』は――」

PERは株価を1株あたりの利益で割った指標であり、益回りはPERの逆数(1÷PER)だ。

「PER15倍なら益回りは約6.7%(=1/15)です。日経平均という企業に投資していれば毎年約7%の利益を稼いでくれるだろう、ということになります。金利がほぼゼロの債券に投資するより、約7%稼いでくれ、それとともに株価上昇が期待できる株に投資しますよね。アメリカは利上げに動き出したとはいえ、今はまだ世界的に低金利ですから債券から株へと資金が入ってくる段階だと考えています」

でも、今亀庵さんは「株、債券、不動産の3つで資金が循環する」と話していた。不動産についてはどう考えればいいのか。

「不動産も株と同じ『リスク資産』なので、同じ方向に動きやすい。ただ、株よりも少し遅れて上がるのが不動産の特徴です」

株式投資で物を言うのは「経験」

大学生で株を始めた今亀庵さんだけど、金融市場全般の循環を意識するようになったのは50代。だからこそ伝えたいことがある。

「普通にサラリーマンをやっていて、億の資産を築くのは正直、厳しい。億をめざすなら、何かリスクをとらないといけません。自分で事業を起こすのもいいし優秀な人にはどんどんチャレンジしてほしいですが、成功するのは一握り。でも、株式投資ならすでに成功した会社へ、株主として参加できるし、その会社がおかしくなったら他社に乗り換えられる。起業するか、株式投資するか、どちらかはチャレンジしてほしいですね。そうでないと億の資産を築くのは難しい」

「今亀庵さんのように退職金をもらったらやってみよう」「もう少し資産が増えたら始めよう」なんて投資を後回しにしないほうがいい。

「いろんな本を読む、成功した人の話を聞くといった勉強も必要ですが、物を言うのは『経験』です。少ない金額でもいいから投資してみて、損したり儲けたりを繰り返し、経験を積んでいく。そうしているうちに、いつかチャンスが必ずやってきます」

「東京五輪後だって日本の未来は明るい」

今亀庵さんが成功を収めたのは若いうちに株を始めて、チャンスを嗅ぎとる嗅覚を身につけていたから。チャンスが来てから勉強しても、女神は逃げてしまうかも。

「個人的な観測ですが、日本の将来は明るいと思う。日本人は本当に真面目だし、ホスピタリティにあふれている。よく『東京オリンピックまで景気は大丈夫だろう』なんて言いますが、日本人の特徴が発揮されればオリンピック後もまったく心配はいらない。『失われた20年』からやっと抜け出したばかりですし、経済は明るい。株価だって大丈夫。日経平均は2020年までに3万円をめざすだろうし、その先も明るい将来が待っていると信じています」

「楽しみながら投資できたら充分」

日本の未来は明るい。では、今亀庵さん自身の未来はどう描いているのだろう。

「3人の娘の出来がよければ資産を残さないでいいのですが、そうでもない(笑)。資産が50億円くらいになったら、3人の娘と家内に10億円ずつ、ビルかなにかの不動産に換えて残せたらいいなと思います」

言葉は悪くても家族への愛情があふれる今亀庵さん。家族思いなのはいいけど、お金を自分のために使うつもりはないのだろうか。

「まったくないですね。いろんな場所へ旅行はしたいですが、年をとってだんだん移動がキツくなってきました。資産が50億円になったら40億円は家族のために残し、あとの10億円で私はまた楽しみながら投資できたら充分なんです」