デイトレは自分との戦い〜20億円デイトレーダー・テスタさんインタビュー【中編】

  • リアル投資家列伝・過去の自分を乗り越える投資心理 / テスタ

「攻略法」の視点をデイトレードに持ち込んで勝機を見出したテスタさん。ただ、その一方では500人のブログを日々読みこなし、さらにブログに記された記録から「同じとき、自分ならどう判断したか」と検証するなど、人並み以上の研究を行なっていました。地道な努力の積み重ねが花開き、テスタさんの利益は徐々に増加し、遂には億の大台へと到達します。
デイトレは自分との戦い〜20億円デイトレーダー・テスタさんインタビュー【前編】を読む

下手な人のブログを読むべき理由

「ボクが株を始めた2005年ころはブログ全盛。たくさんの投資家がブログを書いていたので、いろんな人のブログを読んでいました。毎日500くらいのブログを読むようにしていました。当然、500個の中には上手い人もいれば下手な人もいるし、デイトレの人もいれば長期投資の人もいる。レベルも時間軸もバラバラです」

下手な人? 長期投資家? 自分と同じスタイルで巧みな人のブログだけを読むほうが効率的ではないのだろうか。

「いろんなレベルのブログを読むことで『下手な人と上手い人の差は何か』『長期の人とデイトレの人の視点は何が違うのか』と比べられるからです。それに『今の自分の立ち位置』に近い人のブログを読むことは勉強になります。資金100万円の人が1億円の人のトレードを見ても真似できるものではないし、トレードの『正解』も違いますから」

資金100万円の人と1億円の人では取引しやすい銘柄や資金管理の方法も変わってくる。自分と近い資金量、自分と近いスタイル、自分と近い考え方の人のブログにはヒントが多いということのようだ。

「自分と同じくらいの資金で始めて増やす過程にある人のブログを読んだほうがいいと思うし、今は自分よりひとケタ多い資産を持つ人のブログでも過去の記事をさかのぼれば自分と近い資金だった時代の記事があるかもしれない。そうやってさかのぼって読むこともありました」

「自分はこのときどう考えていたか」を答え合わせ

ブログをどう活用するのか。ただ流し読みするだけでは効果は限られる。テスタさんはもう一歩踏み込んでブログを活用していた。

「デイトレーダーは相場の主役となっているような値動きのある銘柄を好みます。だから、その日に自分が取引した銘柄がブログの記事に書かれていることも多いんです。上手い人が同じ銘柄を取引していたら、チャートを見ながら『どこでインして、どこでアウトしたのか』を確認し、同じときに自分がどう考えていたのか、答え合わせのようなことをやっていました」

場中は相場を監視しトレード、引け後は数時間かけてブログを巡回するのが当時のテスタさんの習慣だった。

「専業トレーダー初日から1日も欠かさず読んでいたブログもあります。ただ今年、ブログをブックマークしていたサービスが休止し、登録していたブログが読めなくなってしまったんです。デイトレに必要ならどうにか検索して登録し直すんでしょうけど、そうしないということはボクにはもう必要ないんでしょうね」

もしテスタさんが今、初心者であれば再び500人のブログで研究するだろうか。

「今はツイッターの時代やと思います。ツイッターはブログと違ってタイムラグが少ない。上手い人が場中に何を考えているかを知るにはいいツールです。ただ、ツイッターだと詳細な分析や記録があまり残らなかったりするのがブログよりも不利な点ですね」

ランキング1位ブロガーとの出会い

周囲に誰一人相談できる相手のいない孤独なデイトレーダーだったテスタさんだが、多くのブログを読む中で、出会いも生まれた。本連載にも登場したデイトレーダーの「むらやん」さんだ。

「向こうはブログランキング1位の有名人。コメントを残すのもおこがましいくらいで、1年くらいは一方的に読んでいるだけでしたが、たまたま縁があって会うことができた」

この出会いをきっかけにして、相談できる相手もいない孤独なデイトレーダーだったテスタさんの環境が変わった。

「1人でやることには限界がある。むらやんをはじめ、仲間ができたことで新しい気づきが得られたり、成長するきっかけをもらえたと思います」

上昇相場への「心の準備」はできていた

攻略法の捜索、500人のブログ研究、仲間との切磋琢磨――テスタさんの利益はデイトレを始めて2年目に600万円、3年目に1700万円、4年目に2200万円と順調に増えていく。

「ボクがデイトレを始めたのは2005年。それからは株式市場全体の低迷が続き、しんどい時期でした。自分的にはそれが普通やったんで、しんどいとは思いませんでしたが」

日経平均は2007年に1万8300円をつけるが2008年リーマン・ショックでの7000円割れへ。本格的に反転したのはテスタさんが株を手がけるようになってから9年目、2013年だった。

「リーマン・ショックや東日本大震災後の急落などの経験を積んだことで、ポジションを持つことのリスク、資金管理の大切さといったことを身にしみて学びました。それに低迷しているということは、イコール、どこかでものすごい上昇も来るかなと自分の中で準備してもいました。その結果が5億円の利益につながったのだと」

2013年はテスタさんが経験する本格的な上昇相場だったが、臆さずトレードできたのは準備があったからだ。

「いつ上昇相場が来てもいいように気持ちの準備はしていたし、上昇の兆候があればデイトレだけでなく、たくさん買って長めに持とうというのは決めていた。それまでは経験がなかった、新興市場の銘柄を半年保有するといった長い時間軸での取引です。それができたことは、自分でもよくやれたなと思います」