節税は“仕組み化”すれば、ズボラでもOK!【前編】〜意外と手間ナシ。これだけやれば文句ナシ! プロお墨付きの確定申告術

今年も自営業にとってはユーウツな確定申告の季節が到来。誰もが本音は「ラクして、なるべく節税したい!」はず。そんな都合いい方法が……あるんです! ズボラでもできる「節税の“仕組み化”」について、確定申告のプロにバッチリ教えてもらいます。

ーー初めまして。「FROGGY」編集担当のS子です。ビジネス系出版社に十数年勤め、出産・育児を機に退職。子育てがひと段落した2016年よりフリーランスでライター・編集業をスタート。自営業3年目の若葉マークながら、売上も順調で2018年は夫の扶養から外れることに……。仮にもお金のサイトを担当するものとして、むざむざと何の対策もせずに税金をただ払うのでは芸がない!

というわけで、手間がかからなくて合法的、しかも税務署に怒られないような節税の方法を教えてもらうため、税理士法人五島税理士事務所の五島(ゴシマ)先生へ突撃!!!

一定の稼ぎがあれば、確定申告は必須

S子

しょっぱなからナンですが。「合法的に節税できるぶっちゃけ講義」をよろしくお願いします。あと、ラクに手間ひまかけずにOK的なヤツもぜひ……。

ゴシマ

(注文が多い……)。まあ、私もメンドー、ムダなことはキライです。効率重視でいきましょう!

確定申告というと苦い思い出がありまして……。去年3月15日になってから大慌てで源泉徴収票などをかき集めて、見よう見まねでクラウド会計ソフトを使って書類を作成したものの、税務署で2回も不足資料を注意されて、締切時間ギリギリで受け付けてもらったという。
でも、いかにメンドーであろうと、せっかく払い過ぎた税金が戻ってくる(還付)チャンスがあるなら、確定申告をやらない手はないですよね?

もちろんです。「メンドくさいから還付もいらないし、確定申告しない!」なんて人がいますが、個人事業主ならば稼ぎ、つまり所得が基礎控除額を超える38万円超、サラリーマンでも副業や投資などで20万円超の稼ぎがあれば申告の義務があります(住民税は20万円以下でも申告の必要あり)。

カエル先生の一言

ここで、確定申告についてさらっと復習。
ややこしそうに見えますが、「引き算」と「かけ算」ができれば納税額が出ます。
1 年間の稼ぎ  売上(収入)-経費=所得
2 税金の対象  所得-各種控除=課税所得
3 最終的な税額 課税所得×所得税率
といった具合。日本は累進課税なので、課税所得が高いほど税率が高くなります。一番高い人で、住民税を合計すると、ナンと稼ぎの半分ぐらいは持ってかれる計算に。
がんばって収入を上げたゴールが、コレとはちょいセツナイですね……(涙)。

えーっと、S子さんの場合、まだその心配はないんじゃ……。

……そうでした。ともかく。いかに所得を抑えるかが節税を考える上でのポイントというわけですね。たとえば、「支払調書をくれない会社の売上はバックレてもバレないよ」なんて話も聞きますが?

ダメです(キッパリ)。
会社は一定の職種の個人事業主に対して、報酬を支払う際に所得税分を源泉徴収し、支払調書を提出する義務がありますが、メンドーだからとサボっている会社もある。といって、“これ幸い”とバックレようとしても、その会社に税務調査が入ったら、一発でバレてしまいますよ。

たしかに! じゃあ、主婦の友達で「メルカリ」で、1年間で50万円近く荒稼ぎをしている人もいますが、申告しないとアウト?

不用品を販売しているだけならセーフですが、あまりに高額だと営利目的と見なされることがあります。
近年、税務署も、こうしたネットがらみの脱税に目を光らせているので、注意が必要です。

じゃあ、やっぱり経費をどーにかするしかない?

個人事業主にも税務調査は入る!

「どーにか」って……どーするつもりですか!?
いい話があります。ドンブリ勘定で経費を計上していたばっかりに、税務調査に入られ、重加算税といって35%上乗せで税金を取られた上に、延滞税を数年分溯って徴収されたフリーランスの方もいますよ……(フッ)。

ひー、フリーにも税務調査って入るんですね。

「個人事業主には入らない」「白色申告なら大丈夫」なんてのは“業界の都市伝説”。まったく根拠はありません。
むしろ、法人より調査件数は少なくても、個人事業主のほうが一旦調査が入ると、ガッポリ税金を取られるケースもあります。

またまた~(笑)。あれっ、先生の目が笑ってない……本当の話?

マジです。法人の場合、経費よりも売上のヌケなどをまず先にチェックされますが、フリーランスは基本的に取引先からの支払調書があるので、売上の数字はごまかしにくい。そうすると、経費をアレコレしちゃう。だから税務調査でも、まずは経費がチェックされるんです。

弱小フリーランスの小細工なんて、お見通しになっちゃうってコトですか。

調査官によっても個性が違いますが、領収書の細かい点をきっちりつついてくるようなケースもありますよ。
「この飲食店の領収書の数がかなり多いですが、場所、世田谷ですね」
「確か事務所は神田では? しかも土日が多い」
「本当はプライベートな飲食代じゃないですかーー!」ってね。

あのっ、センセー、臨場感ありすぎ……。

さらに、一度はセーフだった領収書も、担当者が変わればアウトになる場合もある。あくまでも照らし合わせるのは法律。「前年は大丈夫だったから、今年もOKでしょ」という慢心は禁物です。

「仕組み」を作って節税をする

わ、わかりました。では、ぶっちゃけ何が「必要経費」で、何が「NG」なんでしょうか?

あのね、節税って「これはダメ、あれはOK」などとチマチマやるものじゃない。“仕組み”なんです。節約でも、10円単位でケチケチしても浮くお金は大したことないですよね。ズバッと保険や通信費などの固定費を見直したほうが効果が高い。それと同じで、最初に大枠の仕組みを作る。後はそのルールに則るだけでOKです。

カエル先生の一言

ここでゴシマ先生が教えてくれた一つの策が社会保険料控除の活用。
一度、加入しさえすれば、支払った保険料は全額控除できる。節税と将来への保障が両立できます。
例えば国民年金にプラスして、国民年金基金に入る。
将来の保障という意味では、「小規模企業共済」。事業を廃止した時に掛金に応じた共済金が受け取れる、自営業向け退職金積立制度のようなもので、これも掛金を全額控除できます。

そうそう実は私、昨年大慌てで節税指南本を読んだです。それで「小規模企業共済」に加入して、満額を12ヵ月分前納したんですよ(ドヤ顔)!

もっと賢いやり方も考えられますよ。稼ぎが良さそうな年に数年分を納付する。そうすると、その年にまとめて控除できるから、節税効果もさらに高まるでしょ?

いい考えだと思ったのに、節税マイスターへの道はまだまだ遠かったか……。
そうだ、先生! 自宅で仕事をしているケースで、家賃や光熱費なんかを業務用と自宅用の支出に分ける“按分”も仕組み作りの一つでしょうか?
自宅のリビングルームで仕事をしているので、面積比率で按分して経費に入れようと思ったら、某税理士さんから「リビングは家族全員で使う部屋だからダメ」と言われたことがあるんです。

それって「リビングルーム=家族で使う部屋」という一般的な定義に沿った判断ですよね。
でも、「朝9時から夕方17時までの8時間は、仕事部屋としてのみ使っている」「その時間内、家族がそこに入ることはない」と仕組み、ルールを決めてしまえばどうでしょう。

なるほど、面積×時間で按分する、と。リビングの面積が全体の4分の1ならば、下の式を計算すれば、経費になる額が出てくる!

仕組みを作る上で大事なのは、そこに論理的な理由があるか。要は説明がつけばOKなんです。

まとめ
・確定申告とは、「払うべき所得税を確定させるため」に申告すること。国民の義務なので、面倒がらずに取り組もう
・所得税は「売上ー経費ー控除=課税所得」に税率をかけて決められる
・65万円の控除をゲットできる「青色申告」を選ぶべし!
・「科目が意味不明」「複式簿記の知識ない」……そんな悩みは、市販の会計ソフト(年間コストは1万円程度)を使えばクリアできる
・仕事先から支払い調書をもらっていなくても、正直に申告すべし。不正がバレたら厳しい追徴課税が!!
・プライベートでも使うものは、必ず「按分」するべし
・将来への備えができる「小規模企業共済」、美味しい地方物産が届く「ふるさと納税」など、知らなきゃ損・やらなきゃ損な控除を活用しよう