人生を恐れてはいけない。勇気と想像力とほんの少しのお金さえあれば生きていけるんだ

チャップリン晩年の名作、『ライムライト』の中の一言。映画では、かつて売れっ子だった道化師・カルヴェロ(チャップリン)が、若くして人生に絶望し、自殺を図るバレリーナ・テリーを助け出す。自分とは違い、無数の未来が広がるテリー。彼女を力づけようと、カルヴェロが熱弁をふるう中での一言だ。「勇気と想像力」に加えて、「ほんの少しのお金」とあるのがご愛嬌。チャップリンは極貧家庭に育った。衣食住に事欠き、大好きな母と引き離された子供時代が、よほどつらかったのだろう。自伝に「貧しさを魅力的なものに見せようとする態度は不愉快だ」と、はっきり書いている。リアルな苦労を知っているからこそ、テリーを励ます言葉にもあえて精神論だけでなく、お金の要素を加えたのではないか。『ライムライト』は、62歳のチャップリンが初めて素顔で出演した作品。世界中に愛された喜劇王も老いを自覚したのか、映画には生きる意味を諭す名言がたくさん登場する。チャップリンの人生哲学を、名画でぜひ味わってみてほしい。

■チャールズ・チャップリン(映画監督、映画俳優)
映画俳優、映画監督、コメディアン、脚本家、映画プロデューサー。ロンドンの舞台俳優兼歌手夫婦のもとに生まれる。少年時代は極貧生活で、職を転々とした。その後、兄とともに舞台俳優・コメディアンとなる。欧州でコメディアンとして大成したのち、ハリウッドに渡る。ダブダブのズボンにドタ靴、山高帽、チョビ髭、ステッキの「チャーリー」役が大当たりし、監督兼主役として数々のヒット映画を生み出す。1952年、国外追放命令を受ける。1972年、米国アカデミー名誉賞に選ばれ、20年ぶりに和解が実現した。主な作品に『キッド』『黄金狂時代』『街の灯』『モダン・タイムス』『独裁者』『ライムライト』ほか。
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