たまにしか入らない1ドルよりも、確実な10セントを取れ!

人間は欲深い生きものだ。身近にあるわずかなお金よりも、一攫千金を夢見るほうが楽しく、「いつか、自分も成功して大金持ちになれるかも……」と不確実な未来を夢見てしまう。そういう“浅はかな欲深さ”を戒めるユダヤの格言が、「Better a steady dime than a rare dollar.(たまにしか入らない1ドルよりも、確実な10セントを取れ!)」だ。たったの10セント(約10円)でも、お金はお金。手にした10セントをコツコツと貯めていけば、それが10ドル、100ドルとなり、やがて大きな金額になる。夢のような将来に期待するより、いま、目の前にある小さなお金、仕事、自分の力を活かし、できることをやる。その積み重ねの延長にしか、成功はない。リアリズムを追求するユダヤ人らしい、非常に堅実な教えだ。ドキッとした人にはぜひ、自分の足元を見つめ直してほしい。

■ユダヤ人の格言について
ユダヤ人はパレスチナの地を追われて各地に離散し、差別や迫害を受けた過酷な歴史をもつ。長い間、国家をもたない民族として生き延びる過程で、多くの格言を使って苦悩や喜びを表現し、生き抜く「知恵」を子孫に残してきた。その格言の数々は、現代に生きるわれわれにとっても、普遍性・説得性をもつものばかりだ。
■参考文献
『ユダヤ人ならこう考える! お金と人生に成功する格言』(烏賀陽正弘《うがや・まさひろ》著・PHP新書)より格言を選出。解説も烏賀陽氏の見解を参考にしている。
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