2018年1-3月期 マーケット変調の時こそ内需小型株のIPO

日経平均株価がバブル後の高値2万4000円台をつけるなど好調な滑り出しを見せた2018年の株式相場。しかし2月以降は、米国のインフレ加速懸念などから日経平均が1000円以上急落する日もありました。そんな中、2018年1-3月のIPOマーケットはどうだったのでしょうか。IPOが好調な背景は? 大きく上昇した銘柄は? 株式市場全体の動きとともにIPOマーケットの動向を振り返ってみましょう。

初値4倍の大ジャンプ銘柄が続々上場

2018年1-3月に新規上場した15銘柄(合併による再上場は除く)のうち、初値が公募価格の4倍以上となった銘柄は4銘柄(27%)と、直近でその比率は最大となっています。たまたま魅力的な銘柄がこの1-3月に集中したという見方もできますが、実はマーケット全体にも関わる大きな「要因」も働いていました。

マーケットが不調な時こそ、内需小型株はねらい目!?

2018年に入ってからの日経平均株価の推移を見ますと、米国でインフレ(物価の上昇)が加速し、景気に悪影響が及ぶのではないかとの懸念が広がり、株価が1000円超も急落する場面がありました。また、トランプ大統領が3月に鉄鋼などに対して輸入関税をかけることを表明したことで、貿易戦争に発展するのではないかとの思惑から、株価の下落が続きました。

いずれも、世界景気を悪化させることを連想させる出来事であったため、 海外で稼ぐグローバル企業や、機関投資家が多く保有する大型株が売られました。そうした中、今回のIPOマーケットでは世界景気の影響を受けにくい内需小型株の上場が多かったことで、個人投資家の関心がIPOに向かいやすく、初値の大幅上昇につながったものと考えられます。

上昇率トップは初値5倍超のアジャイルメディア・ネットワーク

1-3月に上場した企業のうち、初値上昇率がトップだったのは、アジャイルメディア・ネットワークでした。同社は「アンバサダー」と呼ばれる“自発的にクチコミ/推奨するファン”を通じたマーケティング支援を行っており、従来の広告などとは異なる販売サポートを主力事業としています。

また、今回のIPOでは投資家から募った金額(発行総額)が4.3億円と、非常に少額だったことも人気に拍車をかけ、初値上昇につながったと考えられます。ただでさえ小型株が注目されやすい相場の中で、募集額が少ない銘柄は初値が大きく上昇する可能性があるといえそうですね。

上昇率2位のMマートも同様です。同社は業務用食材や厨房機器などを取り扱うECサイトを運営する会社です。業態としては決して新しい事業ではありませんが、10万8000店を超える店舗との取引実績などに加え、発行総額が8.4億円と少額だったことが初値上昇の追い風になったものと考えられます。IPOを申込む際には、事業の成長性はもちろん、募集金額そのものもチェックしたいところです。

企業が募集する発行総額も要チェック!

株式市場全体の悲観ムードとは対照的に、好調だった2018年1-3月のIPO。日経平均が停滞してしまっても、がっかりすることはありません。前回ご紹介した公募株比率とともに企業が募集する発行総額を証券会社のwebサイトや目論見書でチェックし、2018年もIPO投資にチャレンジしてみましょう!

本記載の内容は過去の一定期間についてコメントしたものであり、将来のIPOの動向を示唆、保証するものではありません。IPOで株式を購入する場合は、購入対価のみお支払いとなります。また、株価の変動等による損失が生じるおそれがありますので、IPOへの応募を検討される際は、契約締結前交付書面や目論見書またはお客様向け資料等をよくお読みください。